窓のプロの横顔
昭和29年創業の南ガラス工業所は、長男の南道徳社長を筆頭に3兄弟でそれぞれの得意分野を活かしてお仕事をされているのが特徴です。
建材ガラスの加工業から始まり、3兄弟のチームワークによって厳しい建築業界を乗り越えてこられました。
そんな南ガラス工業所がどんなお店なのか、ご紹介します。
創業から現在まで
南ガラス工業所は昭和29年にガラス加工業としてスタートしました。現社長のお父様が創業者です。
当時は建築ブームで、高度な加工技術を持っていた南ガラス工業所では、ゼネコンさんやビルダーさんから依頼のガラス工事が主なお仕事でした。しかし、現場は行き違いから生まれるトラブルの連続だったといいます。
「下請の立場ですので言われた現場へ出向き、言われた工事を済ましてくる...そういう世界です。何より、最終的にお客様に喜んでもらえるという事が全く感じられなかったのが辛かったです」と語る南社長。
そんな時、知り合いから「なぜ、あなたの会社のご近所に目を向けないの?あなたの技術を待っている人は近くにいるのに」という言葉をいただいたそうです。これをきっかけに、それまでの企業対企業のスタイルから、ご近所の方々への商売へ転換をしていくこととなりました。
現在はご近所からの仕事だけでなく、練馬区内の学校にも営業に回って客先を増やしています。
得意分野を生かしたチームワーク
南ガラス工業所では、それぞれの得意分野を活かしてお仕事をされているのが特徴です。
社長で長男の南道徳さんが窓リフォーム、次男の貴法さんがフィルムを貼る工事や修理、三男の英明さんがドア・サッシ・網戸・雨戸などのメンテナンス工事を担当しています。
長男、南社長のお仕事
南社長は「断熱・防音・防犯工事」でエコガラスや内窓のご提案・打合せを担当しています。
また、最近は鍵工事にも力をいれています。10年ほど前、ピッキングの問題がメディアでも大きく取り上げられ、ご近所の方々からもお問い合わせをいただいたのがきっかけだといいます。
「鍵の修理はガラス修理同様「待ったなし」ですから。鍵を紛失した・折れてしまった、となると生活をするのに困るでしょう?私どもの会社の方針は、(住まいの)「困った所の問題解決」です。ご近所の方が鍵に困っていれば、それを解決して差し上げたい。その想いで始めました」
次男、貴法さんのお仕事
次男である貴法さんは、窓ガラスのフィルム工事や修理を担当しています。
「学校関係にお伺いすることが多いですね。ガラスは思わぬ所で破損するものです。特に活発な子供達のいる学校では日常茶飯事です。万一割れてしまっても安全な飛散防止のフィルムや、割れても安全なガラスのご提案をさせていただいております」
このように、安全ガラスだけでなく飛散防止フィルムも同時に提案できるよう、フィルム技能士の資格を持っているとのこと。現在は、入社7年目の丸山さんと2人で現場を回っていらっしゃいます。
三男、英明さんのお仕事
三男の英明さんは、ドア・サッシ・網戸・雨戸などのメンテナンス工事を担当しています。
例えば、サッシの戸車交換。サッシの動きは年月と共に少しずつ悪くなりますが、お客さんは気づかずその重さに慣れてしまいます。そのうち力づくで開閉するようになるとレールが凸凹になってしまうため、古いサッシを長持ちさせるためには戸車を交換する必要があります。ただし、サッシの戸車の種類は、とても多く、探し出すのは一苦労。また、メーカーの純正品でも部品設計が悪いと10年ももたない場合もあるそうです。
「どんなメーカーの戸車にも対応できるようにと考えていたら、いつの間にか戸車(ほかのサッシ部品は除く)だけで200種類、約2,000個の在庫数となってしまいました。廃番になった戸車の交換修理等、様々なケースに対応できれば...と思っております」
親しみのあるチラシ
「一般のお客様への営業活動は、はじめは手探り状態でした」と語る南社長。
「どうやったら自分達の技術を知ってもらえるかと悩みながら、ホームページを作成したり、チラシを配布させていただきました」
そんな南ガラス工業所のチラシは、下の写真の様に手書きの文字とイラストで、とても目を引く紙面です。実は、このチラシは三男の英明さんが絵と文章を担当しています。手描きチラシはじっくり見ていただけるんだそうです。毎年、新春には干支シリーズのチラシを配布していて、お客様の中には数年間分を保存してくださっている方もいらっしゃっるんだとか。
「新春のチラシをご覧になって、弊社の営業が開始する1月6日にすぐご連絡をくださったお客様もいらっしゃいました。有り難いことです」
と社長も嬉しそうにお話しされていました。
社長のあたたかい笑顔や弟さん達の楽しいお話、ご近所に愛されているお店だとインタビューを通じて終始感じました。インタビューの間も電話が絶え間なく続き、お忙しそうでしたが、その声はとても気持ち良く、お客様への感謝の気持ちに充ち溢れていました。