新築・増改築の窓選び【断熱編】一覧へもどる

新築や増改築のとき、窓はどのように選んでいますか?暖かい家づくりには窓の断熱性能も重要です。ここでは、新築時または壁を壊して新しい窓に取り換える増改築時の断熱住宅のための窓選びのコツをお伝えします。※戸建木造住宅に絞ってご案内しています。

断熱性能の目安

住宅の断熱性能の目安

現在、住宅の断熱性能は外皮の断熱性能UA値で表されます。数値が小さいほど断熱性能が高くなります。省エネ地域区分6(*1)におけるUA値の目安は下記の通りです。
「これからの日本の普通」であるUA値0.87断熱等級4(*2)と同等の断熱性能です。2021年4月施行の建築物省エネ法において断熱基準は説明義務にとどまっていますが、今後、この数値が最低ラインとなると想定されます。
「これからのハウスメーカーの普通」環境省のZEH補助金(*3)の要件となるUA値0.6以下であり、断熱住宅の一つの目安となります。さらに暖かい住宅のためには、HEAT20(*4)が提示している民間基準があります。

 

*1 省エネ地域区分…全国を8つの省エネルギー地域に区分しています。2019年に見直しが行われました。詳細は下記よりご確認頂けます。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/chiikikubun-sinkyuu.pdf
*2 断熱等級4…「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)に基づく「住宅性能表示制度」において定められている項目の1つ。住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の仕様基準としても用いられている。
*3 ZEH補助金…環境省のZEH支援事業。使うエネルギーと創るエネルギーが等しくなるネットゼロエネルギー(ZEH)住宅に対して補助が出る。
*4 HEAT20…「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称。外皮グレード「HEAT20 G1」および「G2」を戸建住宅の目指すべき断熱性能として示している。

 

窓の断熱性能の目安

上の図に窓の断熱性能の目安を当てはめたのがこちらです。四角の中の数値が窓の断熱性能を表す熱貫流率です。こちらも数値が小さいほど断熱性能が高くなります。

 

これからの住宅には熱貫流率2.33以下の窓を

これからの住宅には、「アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラス」・熱貫流率2.33以下の性能の窓がおすすめです。なぜ「これからの日本の普通」の「アルミサッシ+Low-E複層ガラス」・3.49以下ではないかというと、サッシメーカーの企業努力により、従来よりも価格帯を下げたアルミ樹脂窓が開発され、2018年には住宅サッシの出荷の半分以上がアルミ樹脂窓となったからです。なお、2018年の戸建住宅におけるLow-E複層ガラスの普及率は8割を超えています。

 

断熱窓、断熱ガラスについては下記の記事もご参考ください。
住宅の窓おすすめ4選~今選ぶなら高断熱窓~
ペアガラスは時代遅れ?断熱ガラス徹底解説!

 

体感がこんなに違う!イチオシは樹脂窓+トリプルガラス

2018年時点の樹脂サッシの出荷は全体の14.7%にとどまっていますが、10年前に比べると2.5倍となっており、寒冷地以外でも普及が進んできています。

(画像引用元:YKKAP「APW樹脂窓シリーズ」カタログ)

サーモグラフィーを見ると、アルミ樹脂窓と樹脂窓では、同じLow-E複層ガラスでも窓全体の表面温度が変わっているのがわかります。サッシの性能が窓全体や、ガラス面の表面温度にも影響しているのです。さらに、樹脂窓+トリプルガラスの組み合わせでは、ガラス面の表面温度が上がることで、ガラスの入っているサッシ部分の表面温度も上がっています。ガラス面は、ほぼ室温と同じくらいになり、冬季のヒヤッと感が大きく軽減されます。

窓は家の中で最も熱の出入りの多い部分。窓の断熱性能を高めることで、住宅の断熱性能も上げることができ、冬の寒さとは無縁の暖かい暮らしを叶えることができます。